保育士は体力面だけでなく精神面でも大変な仕事だと感じている方も多いのではないでしょうか?
人を相手にする保育士という仕事の中では、自分の思った通り、計画通りに仕事が進まないことも多く、人間同士のトラブルや、人手不足による残業や休日出勤の多さなどを理由に、精神面から体調不良を起こしてしまう保育士も少なくはありません。
そんな中で保育士が起こしやすいと言われているのが「燃え尽き症候群(バーンアウト)」と「保育士うつ(うつ病)」。
保育士が抱えている悩みやストレス、そこから陥る「燃え尽き症候群(バーンアウト)」と「保育士うつ(うつ病)」について調べてみました。
人手不足に人間関係…保育士が抱えるストレスとは
職場での人間関係がややこしい!?
「職場での人間関係等の悩み、不安、不満等」というアンケートの結果では「部下の指導が難しい」「自分と合わない上司や同僚がいる」といったように、上司・部下・同僚といった人間関係の難しさが出ました。
保育士の場合は20代から60代以上と働く年齢層が幅広く、半数以上を女性が占めるといった職場環境。
指示を出す上司の側からしても自分の親ほども年の離れた部下に指導するのは非常に難しく、頭を悩ませる原因に。
お互いに普段から意見を言いやすい人間関係を構築しておくことが必要になってきます。
保育士が陥りやすい精神障害とは…
ストレスを受けやすい職種のため、保育士が精神障害を起こしたケースも少なくはありません。
そんな中で多いと言われている精神障害が「燃え尽き症候群(バーンアウト)」と「保育士うつ」です。
どちらもストレスが大きな原因と言われている精神障害ですが症状はそれぞれ違います。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
「燃え尽き症候群(バーンアウト)」の主な原因
燃え尽き症候群も精神障害の原因はもちろんストレスです。
ですがそのストレスとなる内容が特殊なため、対人サービス業の従事者に発症しやすいと言われています。
特に多いのが仕事とプライベートの境界線があいまいなこと。
「休日でもいつ呼び出されるか分からない」「家に持ち帰って仕事のことを考える必要がある」
など、プライベートでも十分に休まることができず、常に緊張状態を保ち続けているといった方は燃え尽き症候群に陥りやすい傾向にあります。
「燃え尽き症候群(バーンアウト)」の主な症状
- 身体的症状…吐き気・不眠・食欲不振・胃腸障害など
- 仕事への意欲減少
- 他人への無関心
- 朝起きられない
- 無気力・無感動
- 怒りっぽくなる
再発率の高い「保育士うつ(うつ病)」
うつ病は男女問わず誰にでも発祥しうる精神障害です。
仕事に対する責任感が強い人ほど発症しやすいと言われ、保育士に限らず様々な職業でうつ病を発症する人が増えています。
うつ病で気を付けたいのは高い再発率と伝染力。
一度うつ病を発症すると、発症を繰り返すごとにその再発率は上がっていると言われています。
精神障害が伝染!?と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、うつ病は間違いなく伝染します。
一緒に働く同僚はもちろん、長い時間を共に過ごす家族は特にうつ病が伝染しやすいと考えられています。
うつ病の旦那さんを支援していたら奥さんも一緒にうつ病になっていたというのはよくある話。
優しい言葉をかけても、何かを手伝ってあげても拒否・否定され、挙句の果てには「どうせ生きていてもしょうがない」「死にたい」しか言わなくなった家族が横にずっといるのですから、ストレスが溜まってうつ病になってしまっても無理はありません。
「保育士うつ(うつ病)」の主な原因
うつ病は責任感の強い人ほどなりやすいと言われています。
自分がちょっと疲れたな、体調がおかしいなと思う時でも休むことができず、精一杯仕事に取り組む中で思った通りの仕事ができず、体調をさらに崩したり精神的に疲れてしまったりということがあるようです。
一番は無理をしないこと。
人のために働く保育士の仕事ではあるのですが、自分を大事にしてあげる時間も必要。
人手不足だから自分が頑張らなくては!と気負いすぎるのはよくありません。
「保育士うつ(うつ病)」の主な症状
- 身体的症状…食欲不振・不眠・味覚障害など
- 無気力
- 絶望・不安感
- 自暴自棄・自殺願望
保育士が精神障害を起こさないために必要なこと
保育士が精神障害を起こさないためにはその原因を取り除くことが一番です。
どちらも人手不足などが原因で仕事のことを考えなければならない時間が増え、上手く休息を取れなくなってしまうことが大きな原因になっています。
人手不足を解消することはなかな難しいかもしれませんが、自分の体や心を第一優先にしっかりと休養を取ることも大事。
精神障害で現場に立てなくなってしまっては元も子もありません。
自らが人手不足の原因になってしまわないためにも、仕事とプライベートの切り替えとしっかりとした休養を取るようにしましょう。